木曜日に大阪の三番街シネマで行われた「阿弥陀堂だより」の試写会に行ってきました。

小泉監督の前作「雨上がる」は一応チェックしましたが、僕は退屈な感じのする映画だなと思いました。今回もスローペースな作品だったら久しぶりに映画館で眠ってしまうかなと思いました。

しかし、ある人が登場してからは何か懐かしい気持ちになりました。

信州の山里が舞台です。全く売れない小説家の孝夫(寺尾聰)は、パニック障害で心の病を抱えてしまった妻の美智子(樋口可南子)と共に東京から信州に引っ越してくる。目的は治療。
殺伐とした東京に比べて、自然がたくさん残っている山里。その山里には村の阿弥陀堂を守る96歳になるオウメ(北村谷栄)と言う名前のお婆さんが住んでいる。美智子はオウメとの出会いで心の病が少しずつ癒されていくのであった・・・。

この作品は僕の中では予想外の出来でした。かなりいいです。なかでもオウメ役の北村谷栄さんが凄く良いです。おそらく、今年の助演女優賞を総ナメすることはほぼ間違いないです。脇を固める井川比佐氏、吉岡秀隆、小西真奈美などといい味をだしています。小西真奈美はこんなに演技が出来る女優さんだったのですね。少しは見直しました。

田舎もノンビリしていていいんです。この映画を見て「田舎に住みたい」と思う人がいると思います。当然、僕も思いました。でも、都会の生活に慣れている人にとっては田舎の時間はゆっくりで直ぐに退屈するんでしょうね。もって3日かな・・・・。

<いい映画ですので時間とお金のある人は、映画館で見ても損はないと思います>

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冒頭に何か懐かしい思いがしたと書きましたが、それはオウメさんを自分のオバアちゃんと照らし合わせて見てしまったからです。幸か不幸か、僕は生まれつきオジイちゃんという存在を知りません。生まれた頃には既に二人とも亡くなっていました。母親のオバアちゃんも既に亡くなっていました。父親のオバアちゃんのみです。色々と思い出があります。ファミコンなどの玩具を買ってくれました。

僕が小学生の高学年の頃から「ガン」にかかってしまいました。久しぶりに病院に見舞いに行ったある日のことです。

○病室
母親と父親が用事で病室を出て行き、僕とオバアちゃんの二人きりになってしまう。
オバアちゃん「よう来てくれた。何歳になったんや?」
僕「中学一年」
オバアちゃん「そうか。大きくなったな?」
しばらくして、
オバアちゃん「何歳になったんや?」
僕「中学一年」
オバアちゃん「そうか。あんた大きくなったな?」
オバアちゃんはベットから体を起こして立ち上がろうとする。
僕「何するんや?」
オバアちゃん「ちょっと立ってじっくりお前の顔を見たいんや」
僕は体を支えながら起き上がるのを手助けする。
何時もベットで寝ているイメージしかなかったオバアちゃんが久しぶりに立っている。
オバアちゃんってこんなに背が低かったかと思ってしまうほど背が縮んでいた。
オバアちゃん「大きくなったな・・・・」
オバアちゃんは、大粒の涙を流しながら「大きくなったな」を連呼する。
どうしたらいいか分からない僕。
しばらく、顔を見つめられる。

それから三日後にオバアちゃんは亡くなった。

オバアちゃんは死を感じていたのでしょうね。
暗い気持ちになったらごめんなさい。
何か思い出したので書いてしまいました。
<ネタじゃないですよ。本当の話です>

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今日「完全犯罪クラブ」を見たのですが明日書きます。

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